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ブックガイド――随筆?篇――

先日、随筆の授業で生徒たちに配った随筆ブックガイド。
せっかくなのでここで紹介。

内田百閒『御馳走帖』
内田百閒『第一阿房列車』
森田たま『もめん随筆』
俵万智『あなたと読む恋の歌百首』
穂村弘『本当はちがうんだ日記』
佐竹昭広『古語雑談』
作品社「日本の名随筆」シリーズ
吉川弘文館「日本随筆大成」シリーズ


内田百閒『御馳走帖』(中公文庫)
偏屈グルメじいさん、食を語る。単に美食を語るのみならず、独特の視点で故郷の味、思い出の味、食べたいもの、食べたくないもの等々、様々なエピソードを交えて飽きさせない。中には、食べたいものを列挙しただけの、随筆とも言いがたい一篇さえある(「餓鬼道肴蔬目録」)。それでも何だかおもしろいから不思議。この人はとにかく自由すぎる。



内田百閒『第一阿房列車』(新潮文庫)
偏屈鉄オタじいさん、旅に出る。何のための旅かと言えば「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」。弟子の「ヒマラヤ山系」君を連れ、行って帰るだけの列車旅。観光もしないので紀行文とも呼びがたい。これと言って特別なイベントも起きないが、百閒先生の奔放な言動と周りの人達とのやりとりだけでめっぽう面白い。



森田たま『もめん随筆』(新潮文庫)
最近はほとんど読まれない作家だが、この人の文章は本当に美しい。日常の些細なことがらを、ひとつひとつ慈しんで言葉に閉じ込めるような文体は、読むたびにほっと溜息がでる。着物関係の話が多いが決して古臭くなく、自由でハイカラな女性という印象。著者は夏目漱石の門下生と交流があり、芥川龍之介や内田百閒の知られざる一面が垣間見える話もある。



俵万智『あなたと読む恋の歌百首』(文春文庫)
朝日新聞に連載されたエッセイをまとめた一冊。一首ずつ短歌を取り上げて、筆者の恋愛談を交えつつ思うところを綴っている。これからどんな恋をするにせよ、また恋のどの段階にあるにせよ、自分を勇気づけ、今を愛し、過去を懐かしむことのできる歌とコメントにあふれている。ほとんど短歌を読んだことがない人にもおすすめ。



穂村弘『本当はちがうんだ日記』(集英社文庫)
今の自分は「リハーサル」、まだ本番ではないから……と思ううちにいつの間にやら数十年。冴えない自分の「素敵レベル」はいつになったら上がるのか!? 臆病歌人によるおかしな人生考察エッセイ。今のうちに一度読んで、大人になったらもう一度読んでみよう。きっと共感できる部分が変わっているはず。



佐竹昭広『古語雑談』(平凡社ライブラリー)
「雑談」とは「はなし」のことであり、「はなし」の原義は「肩のこらない雑談、くつろいだおしゃべり」だったと著者はいう。著者の該博な古語の知識から繰り出される、おもしろくも珍しい「雑談」集。読めば「へえ~」と感心し、きっと誰かに教えたくなる。勉強の息抜きになりつつ勉強にもなるというお得なエッセイ。



作品社「日本の名随筆」シリーズ
近現代の随筆をテーマごとに収録したシリーズ。本巻(「花」などの一文字テーマ)と別巻(「囲碁」などの二文字テーマ)とがあり、全て併せて200巻。これだけあれば、誰しも何かしら興味のある巻を見つけることができるだろう。収録各編の出典も巻末に明記されているので、気になる作家を見つけるためのガイドとしても使える。



吉川弘文館「日本随筆大成」シリーズ
江戸時代の随筆を収録したシリーズ。江戸時代は出版文化が大いに栄え、伝統的な文学作品から、その低俗なパロディまで、様々な本が流通した。随筆もまた多種多様。硬派な学問話あり、コーヒーなど珍しい物の食レポあり、さらには妖怪やUFOを見たというトンデモ話まである。適当に開いて読んでもいいが、特定の随筆を探したい時はペンシルバニア大学図書館がweb公開している『日本随筆大成 総目次・索引』が便利。

  1. 2016-07-04 Mon 18:50|
  2. 文学

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