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読んだ小説の感想(2014年7月分)

7月分の読書メモ。

高野史緒 『ムジカ・マキーナ』
長野まゆみ 『夏帽子』
清水マリコ 『嘘つきは妹にしておく』

……の3冊。

高野史緒『ムジカ・マキーナ』(ハヤカワ文庫JA)
音楽SFと呼べる作品は他に飛浩隆「デュオ」しか読んでいないが、それもこれも面白かった。「デュオ」同様、本作はイデア論的な理想追求を基に展開する。音楽小説とはいえ、音を言葉で表すことは、本来できない。しかし、だからこそ現実にない理想の音楽を扱うことが、小説にはできる。音の連なりからではなく、それを奏でる者の言葉を通して、〈音楽の理想〉は知られる。〈理想の音楽〉なるものも、それを聴く者の言葉を通してのみ、存在が保証される。登場するガジェット以上に、語られる音楽の非存在性がSF的と言える。音楽とSFとの相性の良さを感じられた。

長野まゆみ『夏帽子』(河出文庫)
著者の作品は宮澤賢治の影響が色濃く出ているものもあるけれど、本作はそれをほとんど感じさせない。そうかといって他の作品に見られるような幻想的な雰囲気がないかといえば、そんなことはなく、むしろ絶妙なバランスで、それはある。描かれるのは、幻想世界の日常ではない、日常世界の幻想。幻想が日常の中に、ごく自然に配置されている。読みながら、自分のいる世界とひとつづきのところに、語られる世界があるような感覚。たいへん心地よい。

清水マリコ『嘘つきは妹にしておく』(MF文庫J)
わかったようなわからないような、やや消化不良な読後感。そういう設定なのだと受け入れるべきところかもしれないが、登場人物の誰もが異常な状況にあっさり順応している(主人公以外、その過程は全く描かれない)ので、そのあたりをもう少し丁寧に書いてほしいと思った。ただ、それはそれで冗長になってよくないのかもしれないが。
  1. 2014-08-06 Wed 12:12|
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